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砂川講演 [緩和ケア]

この度は、砂川市立病院に招かれ、北海道空知地区での
緩和ケア・地域連携について講演を行い
意見交換を行った

秋田から新千歳空港まで50分
新千歳空港から砂川までJRで1時間半
北海道のJRは電車が大きいため、シートがゆっくりしており
ゆったりと旅ができる

北海道、さらに空知地区というと
遠い気がしていたが
あっというまに到着
砂川市立病院は古くから市民の病院として運営されており
空知地区のがん診療連携拠点病院でもあり中核病院である
空知地区の中で、砂川市は人口2万人程度のちいさな街
しかし、砂川市内以外からも周辺地区からも患者さんを受入れ
絶対に断ることはないという

2万人の人口の街に500床の病院はすごいと思う
砂川市民と市民病院のみなさんの寛大さは脱帽である

地域の拠点病院の役割を立派に果たしている

タグ:地域連携
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在宅緩和ケア~第7回日本臨床腫瘍学会 [緩和ケア]

先週末、第7回日本臨床腫瘍学会に参加してきた

学会の中での教育講演から
がん患者における在宅ケア(Home hospice care) 演者:川越  厚( 医療法人社団パリアン クリニック川越)

終末期医療について
 緩和ケア、ホスピスケアという言葉が混乱して使われている。これらの言葉は似たようで微妙な違いがある
 終末期医療とは死が避けられない状態において何ができるか考え提供するもの
 死から生をみる「看取りの哲学」である

英語ではHospice とか Palliative careと言われるが、これは大きく意味が違う
Hospiceは近代ヨーロッパで生まれた Sister's of Charityで、フランスで生まれた
ペスト流行時に死に行く人々を看取った場所であった
現代確立された、がん患者の看取りの場は、
このペスト(新型インフルエンザもこうなるのか)患者の死と区別するため
Palliative care と呼んでいる
従って、少なくともフランスではHospiceという言葉は使わない

現代の終末期医療、いわゆるホスピスでの問題は、
医療はケアのほんの一部であり、看護が本来のケアの主体である
ということが重視されず、医師の統括のなかで物事が進められ
看護が後に追いやられてしまっている状況

この理解が重要である

また、終末期医療は当たり前であるが、余命を考慮して短い経過で死をもって終わる医療であることが原則である
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おくりびと [緩和ケア]

「おくりびと」

昨年の秋に公開され、見に行きたいと思っていたのだが、行くことが出来なかった
院内で緩和ケアを担当していることもあり
遺族ケアという意味で、病院では「エンゼルケア」と呼んでいるが興味があった
しかし、アカデミー賞を取ったおかげで話題となり、現在も上映されている
DVDは来週発売予定
すでに購入予約している

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緩和ケアのなかでの死後処置は
遺族が故人が死亡したと確認させるための重要な儀式とされている
死後、家族と一緒に、お風呂に入れ、体をきれいにし、普段着ていたあるいは故人の気に入っていた服装に着替えさせ
本人らしい表情にメイクをする

そういったひとつひとつの作業のなかで、故人の死を
家族に認識してもらい
そこから、故人のいない環境に家族が適応してゆくようにという出発点にしてもらう

しかし、「おくりびと」のなかでの納棺師の仕事の意味は異なっている
死者への処置は美しい所作で納棺師が担当する
家族が死を受け入れるようにと言うよりは
亡くなった方をそのひとらしく扱う、その人らしく再現してあの世に送り出すといった役割である

おくりびとの意義は遺族ケアというよりは
亡くなった後もきちんと扱われたいという
現在生きている人達の死への不安を軽減するための儀式なのだろう
多分、この映画を観た方は、自分も死んだらあのように扱って欲しいとおもったのではないであろうか
この辺はフォトエッセイ「メメント・モリ」と相対する面なのであろう

観衆は映画に出てきた死者に自分に投影させて感じていたのではなかろうか

現世でいろいろなことをしていても
最後に、納棺師によって清められる
特に、宗教観の希薄で、死あるいは死後の世界をタブー視する日本人にはこの映画は受けるのだと思う

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しかし、そう思うと、アカデミー賞受賞したということは、キリスト教徒が多いアメリカ人はこの映画をどう思って評価したのだろうか
多分、本木さんの美しい所作に魅了されたのは日本人もアメリカ人も同じと思う
本木さんもこの映画ではこの点にかなり苦労して、何回も、深夜に渡り練習したそうだ

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日本緩和医療学会 暫定指導医 [緩和ケア]

本日、日本緩和医療学会からお手紙をいただき、
日本緩和医療学会 暫定指導医を拝命した
これに伴い、当院は日本緩和医療学会認定研修施設となった

これまで、緩和ケアの分野では、看護師は「緩和ケア認定看護師」、薬剤師には「緩和薬物療法認定薬剤師」という資格があった。
しかし、医師に対してはそう言った資格制度はなく、当院でも、「緩和ケア認定看護師」が2名いて頑張ってくれているのであるが、そのなかで、なんとなく偉そうにわたくしはリーダーを務めていた。

昨年末に、日本緩和医療学会で専門医制度を決めて、これまでの緩和ケアに関する活動、論文、学会発表などに関する書類を提出し、今回の暫定指導医の認定がなされた。
今年は、今回認定された認定研修施設で研修した医師が、暫定指導医と同じ書類審査の後、筆記試験、口頭試験を経て専門医に認定される。

とにかく、医師に関しては今年4月から初めて専門医制度がスタートする。これまで、緩和ケアに関してなんの資格もなく(緩和ケア研修会の指導者リストとして学会から推薦はされていたが、具体的な資格名はない)、緩和ケア講演の演者を務めたり、研修会のファシリテーターを務めてきたが、ようやく資格を名乗ることができるようになった。



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緩和ケア内科 [緩和ケア]

4月から病院の標榜科の見直しが行われる
昨年、厚生労働省の指導で、一般の方々が分かりやすい名称が提示された
昨年の4月以降に病院の看板に表示される科名は、厚生労働省が認可した名称のみとなった
そして、昨年までは、これまで看板をかかげていた科名はそのままとなっていたのだが
今年の4月以降は、すべての診療科の名称を厚労省認可名称に変更せよとのことである
わたくしの所属している「外科」は、外科と肛門科で標榜していたが
4月からは「消化器外科」と名称変更することになった
これに伴い、特殊外来として2年前から行っている
緩和ケア外来に、標榜科として入れていただくことになった
厚労省の指導では、内科・外科の区別を明記するようにという指導であった
現在、医療現場では内科と外科の境界は不明瞭となってきており
内科でも内視鏡治療やカテーテル治療などが盛んにおこなわれている
とにかく、お役所の指導は指導なので
つまらないことには逆らわない

緩和は、緩和医療とすれば医療のみとなる
医療以外とは?
介護分野も緩和の分野で大きな分野です
特に、在宅療養では必須の分野です
病院においても介護者、ボランティアの働きは非常に重要です
以上の理由から、緩和医療ではなく「緩和ケア」としました
患者さんの病状によって、手術が必要で手術をする場合もあるのですが
上記、厚生労働省様のご指導のもと
「緩和ケア内科」と標榜することになりました
この標榜科名変更に伴い、わたくしの肩書きも変わるので
名刺を作り直さなければいけません
今でも、長い肩書きなのですが
「外科科長・緩和ケアチームリーダー・医療安全管理部長」
から
「消化器外科科長・緩和ケア内科・緩和ケアチームリーダー・医療安全管理部長」
となります

それでも、今回の「緩和ケア内科」標榜でまた一歩、緩和ケアの体制が進んだ気がして
嬉しく思っております


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一ノ関緩和ケア地域連携懇話会 [緩和ケア]

今週末は、一ノ関で緩和ケア講演会の講演を行ってきた
テーマは、緩和ケアにおける地域連携
当院は、関連施設として訪問看護ステーションがあり
院内に療養病棟を持ち
老健施設も経営
病棟にもケアマネージャーの資格をもつ看護師を配属
病棟担当MSW配置、緩和ケアチームにも2名のMSWが所属している

講演は50分:講演内容は
当院および当院緩和ケアチームの紹介
厚労省で行った終末期在宅医療に関するアンケート調査結果の解説
疼痛マネージメントショートステイの紹介
当院における病院から在宅療養への連携

講演の後に、参加者からいろいろな質問があり楽しい時間が過ごせた
病院職員や訪問看護師さんなどから質問やいろいろな思いを聞かせていただき
非常に勉強になった

今回問題になったのは、在宅療養へ移行した場合も
患者、家族の思いは常に変化していることである
がん終末期の患者・家族は約半数が自宅での療養を希望しているが
看取りの場を自宅でと思う方は10%であるということ

そして、生活というものは、各家族によって問題解決法・ものの価値観がそれぞれ異なる
当たり前のことであるが忘れがちなところである
医療者は自分の、あるいは一般的な・標準的な医療に対し反抗するものに対して
疑問を抱くもの
そしてそれを矯正しようとする
しかし、生活については、各人多様であり、周りから見ると理解できない状況でも
本人は意外と満足していることは少なくない

緩和ケアでは(医療すべてにおいても)医療者は
価値観の多様性を常に念頭に置き
治療方針を強要しない
臨床倫理の分野では、独善に陥らないようにと説かれている
それ故、医療現場では多職種によるカンファランスは非常に重要である


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メメント・モリ [緩和ケア]

最近、「おくりびと」がアカデミー賞を受賞してから
この映画の企画に関与している主演の本木雅弘さんが、この映画の構想を抱くきっかけともなった

藤原新也 著 「メメント・モリ」
という写真&エッセー集がある

メメント・モリ(Memento mori)は、ラテン語で「自分が(いつか)必ず死ぬことを忘れるな」という意味の警句
日本語では「死を想え」「死を忘れるな」などと訳される
芸術作品のモチーフとして広く使われ、「自分が死すべきものである」ということを人々に思い起こさせるために使われる

医療職、特に緩和ケアなどというものを担当しているので
このあたりの感性には非常に興味あるし、日常である

この写真集のなかでは
「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」
とのコメントのついた、イヌに食いつかれている遺体の写真がある

死は必然であり
日常である
遺体になってからの自分は自分ではどうにもならない
人間はイヌに喰われる自由もあるが
映画「おくりびと」のように
愛をもって扱われる遺体もある

自分ではどうにもならない死後の自分の扱いについて
おくりびとを観てみな安堵するのではないだろうか
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コミュニケーション研修会 [緩和ケア]

がん診療におけるコミュニケーション研修会を受講
がんに限らず、医療の中で、コミュニケーションは重要である
医療者はいつも善意のひとであるとわたくしは信じている
ただ、医療者の気持ちが患者さんや家族に伝わらず
満足した結果が得られないことも少なくない

これまで、医療者が患者さんに対するコミュニケーション研修会をいくつか受けた
受講もしたが、このような研修会を主催したり指導者として参加することが多かった

今回は、久しぶりに受講生として参加
いつもは、患者さんに悪い知らせを行うという設定が多いのだが
今回は、がん再発治療のため入院してきた患者さんへの挨拶というお題であった
医療者の場合、なんらかの情報を伝えるということは平素おこなっていて慣れているのだが(特に医師は)、挨拶に出向いてなんらかの情報収集をしてくるという設定は少ない
まして、相手が患者さんだけでなく、家族が2~3人同席というのは難しい
しかし、実際では、病状説明する場合、患者さんだけでなく、キーパーソンが少なくともひとりはいる
これを考えれば当然の設定であるのだが
研修としては斬新である

今回の研修も、この研修方式のみならず多くのことを学ぶことができた
良い会であった

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第4回 秋田県緩和ケア研修会  [緩和ケア]

がん対策基本法施行により、がん診療にかかわる医師は全員5年以内に
緩和ケア研修が義務づけられた

これに基づいて
がん連携拠点病院では緩和ケア研修会開催が義務づけられた

秋田県では、この緩和ケア研修を、医師のみならず他の医療職も受講するように働きかけている
従って、他県では医師のみを対象としているが
秋田県では、医師以外に、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、医療ソシアルワーカーなどの方々が受講している

厚生労働省では、医師にのみ研修会受講証を発行
医師以外の医療職には秋田県から受講証が発行される

実際の研修会は、4月に厚生労働省の研修会指針が出される前に
3月に当院で研修会を1回開催
その後、秋田県の拠点病院である秋田大学で4回、市立秋田総合病院で1回開催された

また、10月には、青森県むつ市まで出張して2日間に渡って研修会を主催してきた

今年は、本日で終了だが、今年度まだ2回予定されている

今年は、この研修会講師としての仕事が結構大変であった

講義は問題ないが、グループディスカッションによる事例検討やロールプレイの指導はかなり疲れる
なるべく多くの方々に、緩和ケアについて討論してもらい
問題意識をもてもらうことを目的とする

研修会を終えると、我々指導者側も疲れるが
参加者も当然お疲れ
でも、参加者は皆、いろいろこれまで気づかなかった大切なことに気づいてくれる
是非、医療関係者のみなさん参加してくださいね

死別後のグリーフケア ~家族ケア研究所 渡辺裕子先生~ [緩和ケア]

東京出張
日本臨床外科学会参加・発表・座長を終え
最終日は、家族ケア研究所開催の「死別後のグリーフケア」に参加
渡辺先生の講演は今年3回目の参加となった

急性期病院ではなかなかグリーフケアは難しく、経験的に対処している状況
院内で緩和ケアを担当し
病棟でも、亡くなられる方も少なくない
患者様には最善を尽くすが
遺族そして医療スタッフの感情疲労も大きく、問題となる

今回の講演&グループワークでは、以下の内容であった

1.グリーフケアとは
2.喪失と悲嘆の過程
3.グリーフケアの実際
  臨終から退院までにできること
  遺族が病棟を訪れたとき
  死後のグリーフケア(自助グループ)
  デス・カンファランス

この中で、新鮮であった内容は、葬儀屋さんとの連携である
死別直後に関わるのは葬儀屋さんであるのは当たり前であるが、なかなか気づかない
勿論、そこがうまくいけば
葬儀社としても、また、利用してもらえるわけであろう
最近では、葬儀社で看護職がグリーフケアとして雇用され参画しているらしい
至極当然のことなのであろう

出張から帰ったら、まずは当院でのデス・カンファランスを根付かせる様行動したい
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