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おくりびと [緩和ケア]

「おくりびと」

昨年の秋に公開され、見に行きたいと思っていたのだが、行くことが出来なかった
院内で緩和ケアを担当していることもあり
遺族ケアという意味で、病院では「エンゼルケア」と呼んでいるが興味があった
しかし、アカデミー賞を取ったおかげで話題となり、現在も上映されている
DVDは来週発売予定
すでに購入予約している

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緩和ケアのなかでの死後処置は
遺族が故人が死亡したと確認させるための重要な儀式とされている
死後、家族と一緒に、お風呂に入れ、体をきれいにし、普段着ていたあるいは故人の気に入っていた服装に着替えさせ
本人らしい表情にメイクをする

そういったひとつひとつの作業のなかで、故人の死を
家族に認識してもらい
そこから、故人のいない環境に家族が適応してゆくようにという出発点にしてもらう

しかし、「おくりびと」のなかでの納棺師の仕事の意味は異なっている
死者への処置は美しい所作で納棺師が担当する
家族が死を受け入れるようにと言うよりは
亡くなった方をそのひとらしく扱う、その人らしく再現してあの世に送り出すといった役割である

おくりびとの意義は遺族ケアというよりは
亡くなった後もきちんと扱われたいという
現在生きている人達の死への不安を軽減するための儀式なのだろう
多分、この映画を観た方は、自分も死んだらあのように扱って欲しいとおもったのではないであろうか
この辺はフォトエッセイ「メメント・モリ」と相対する面なのであろう

観衆は映画に出てきた死者に自分に投影させて感じていたのではなかろうか

現世でいろいろなことをしていても
最後に、納棺師によって清められる
特に、宗教観の希薄で、死あるいは死後の世界をタブー視する日本人にはこの映画は受けるのだと思う

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しかし、そう思うと、アカデミー賞受賞したということは、キリスト教徒が多いアメリカ人はこの映画をどう思って評価したのだろうか
多分、本木さんの美しい所作に魅了されたのは日本人もアメリカ人も同じと思う
本木さんもこの映画ではこの点にかなり苦労して、何回も、深夜に渡り練習したそうだ

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