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緩和ケア外来 [診療]

緩和ケア外来 ~リンパ浮腫ケア~

当院では、2006年から緩和ケア外来を開始
いたみの相談から、はじまり、同年にリンパ浮腫ケアの第一人者である佐藤佳代子先生に講演をいただいてから
いつのまにかリンパ浮腫の患者さんが半数以上である
2007年からは、リンパ浮腫ケアのセラピストに参加していただき、さらに患者さんは増えた

実際、北海道・東北でリンパ浮腫ケア外来をおこなっているところはほとんど無い
当院へ通院しているかたは、県内各地以外に、青森、岩手、宮城、山形、茨城、神奈川から通院している方もいる
お盆時期には、帰省の機会に受診したかたも増え、混雑した


リンパ浮腫について

まずは、リンパというのは、体の中の水分の流れのひとつ
人間の体には、いろいろなものを体中に運ぶため、大きなふたつの流れ、すなわち、血液による流れとリンパ液による流れがある
このうち、リンパの流れがうまくいかなくなるとリンパ浮腫というものが起こって来る
長く立ち仕事をしていると足がむくんでくるのもリンパの流れが悪いことと関係する

この原因として一番多いのは、乳癌や婦人科癌の治療後の後遺症
女性がかかる癌のトップは乳癌、ついで、胃癌、大腸癌だが、その次が子宮癌
これらの治療を受けた患者さんの約1/4がリンパ浮腫になると言われている
癌の治療では、手術でリンパ腺を取ったり、ここに放射線を当てたりするので、リンパの流れが悪くなってしまう

乳癌の場合は腕、婦人科癌の場合は足がむくんでくる
腕の場合は500gくらい、足ではキロ単位でリンパ液がたまるので、重い感じから始まり、動かしにくくなり、ひどい場合は歩くのも難しくなる

以前は、一度こういった状態になってしまうと治らないと言われていた
実際、病院に行ってもそういわれて、何年も苦しんでいる方は少なくない
しかし、最近では、複合的理学療法という治療法でかなり改善しており、当院外来で行っている

具体的な治療法は............

手足に貯まったリンパ液をマッサージでからだの中心に押し流してやり、ふたたびむくまないように、包帯で圧迫する
さらに、包帯で圧迫した状態で運動をすることによって、さらに手足に貯まったリンパ液を筋肉のちからで追いだす
複合的理学療法といったちょっと難しい名前で呼ばれている

具体的には............

まずは、スキンケアといって、皮膚を清潔に保ち、けがなどをしないよう注意する
リンパ液は蛋白質が豊富で、ばい菌が増えやすい環境
ここにばい菌がついてしまうとたちまち赤く腫れ上がってしまい高熱が出る

スキンケアの次はマッサージ
マッサージと言っても、揉んだり叩いたりは厳禁
リンパ液は皮膚のすぐ下に貯まっているので、表面を軽く押さえてさする程度
この辺は難しく、専門のセラピストがいる

自分で行う体操として、リンパ液のながれを促す運動がある
手足からのリンパ液は足の付け根や腋の下に集まって、左の首のあたりから心臓の方へ流れてゆく
この流れをよくするための運動として、肩回しをぐるぐると数十回
腕のむくみでは腋の下、足のむくみでは足の付け根を軽く圧迫する運動を行う

圧迫療法は、特殊な包帯やストッキングを使用
大切なことは、きつくしないということ
足のむくみをよくするためのストッキングなど、一般にも売られているのですが、強すぎるものを使うと、一時的に(1~2日)よくなるのだが、きつすぎると、途中のリンパの流れをおかしくしてしまいかえってひどくなりまる
このあたりの調整が難しく、治らないとか、どんどんひどくなってゆくというひとは少なくない

ストッキングは特に注意が必要
結構、高価で、ストッキングを購入するときはかならず、専門の病院で選んでもらいましょう
今年の4月から保険適応になったので、病院でアドバイスをもらって選べばよいものを、安く買うことができる

困っているひとはたくさんいるはず。みなさん、相談に来てください
必ず治ります
でも、混んでるので、お待たせしてます
心からすみません


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