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大腸癌治療にあらたな壁 [癌治療]

日本でも厚生労働省の努力もあり、海外で標準的に使用されている抗がん剤が続々と国内でも使用出来るようになってきた
特に、大腸癌治療に関しては昨年秋から、癌細胞を直接攻撃するセツキシマブ(商品名:アービタックス)が使用可能となり、さらなる治療成績の向上が期待されている
当院でも、昨年秋から6名の患者さんに投与して良好な成績をおさめている

セツキシマブは、癌細胞表面(EGFRタンパク)に対する抗体で、癌細胞のみをピンポイントで攻撃するため、その効果も期待できることと
なにより、他の抗がん剤と比較すると副作用が少ないのが利点である
起こりうる副作用は、癌表面抗原と皮膚細胞抗原が近似しているためか、表皮細胞を刺激して、にきびが起こることが多い
また、どんな薬でも可能性があるのだが、アレルギー反応が起こる場合がある

しかし、大腸癌の表面は、すべての大腸癌がおなじ形をしているわけではない
従って、このお薬を投与する場合は、手術などで取ってきた腫瘍細胞の検査をする必要がある
安心してください、このタンパク質(EGFRタンパク)は大腸癌の90%以上で陽性というデータがあり
一応、調べますが、ほとんどの大腸癌でこのお薬が有効です
ですが、セツキシマブを使用する場合はこのタンパク質測定が義務づけられています

これまで、このEGFRタンパクが患者さんの癌細胞にあるかどうか、すなわち、その患者さんのセツキシマブが効くかどうかの検査はこのお薬の販売メーカーで測定してくれていました
しかし、厚生労働省でこの検査を保険適応にしてくれたため(当然のことで、遅すぎるのですが)、販売メーカーでの測定は終了しました

しかし、現実はおかしなことになってました!!
この検査、販売メーカーでは測定できましたが、他の検査会社ではまだ測定の体制が十分でないため、測定不能とのこと!!
検査メーカーに問い合わせたら、2月中には測定可能になるかと思いますとのこと
これまで、お薬を使っていたのに、約1ヶ月程使えない状態
どこも同じと思いますが、化学療法を行っている患者さん同志お話をしており
当然、セツキシマブのことも話題になってます
その患者仲間のなかで、お薬を使える方(現在投与している方)と、厚生労働省の配慮のなさで投与できない患者さんがでてきました
患者さん同士支え合って、情報交換して病気と闘っているのに

大腸癌治療における新たな壁(produced by 厚生労働省)ができました

ちなみに、この検査
日本以外では3~4万円くらいかかる検査ですが
保険適応となって、設定された価格は8,360円でした
患者さんの負担が減るのはよいのかもしれませんが
それを、医療側が負担するのはおかしいですね
この価格設定では、検査に使う試薬代も出ず赤字になりそうです
こういう設定では、そう遠くないうちに検査出来なくなる
あるいは検査しなくなるでしょう
医療はすべてボランティアではないのですから
すべてのひとが均しく、いつでも、どこでも同じ医療を保障するのであれば
医療経済的にもきちんとした仕組みを作らなければ
うまくいくはずがない

すごく、あたりまえのことでゴメンナサイ!

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